代表の北原です。

弊社の事務所内でメインのWi-Fiアクセスポイントとして稼働しております本製品。お客様にも提案することが多いのですが、なかなかWeb上のレビューも少ない上に、あったとしてもあまり良い記事を見かけないように思います。毎日安定して運用できている環境の一例として、参考になれば幸いです。

ロジテック LAN-W300AN/AP

弊社ではこんな風に設置しています。

LAN-W300AN/AP設置環境電波モノは高所の方が効率良いですから、狭いうちの事務所ではこんなところにあります(汗

LAN-W300AN/AP前面

外観を簡単に。まず前面、必要十分です。視認性も悪くありません。

これからは5GHzにも対応したタブレットやスマートフォンが増えてきており、BYODの動きも盛んなので、両方の帯域に対応している製品が喜ばれると思います。当製品も対応しています。

LAN-W300AN/AP背面2

背面。

「UP LINK」ポート

コンシューマー機はハブを兼ねており4ポートある場合も多いのですが、Tag VLANに対応しているので、1ポートしかありません。これは致し方ないですが、時折複数ポート欲しい時もありますね。「法人向け」を謳う以上、勿論PoEにも対応しています。

「CONSOLE」ポート

初期設定の際に使用します。

値段相応とでも言いましょうか、「CONSOLE」の表記ですがRS-232C互換ではありません。これ重要です。ここにクライアント機を接続すると、192.168.3.0/24のIPアドレスを取得できます。続けてWebブラウザで192.168.3.1に接続すると、管理UIが表示されるという仕組み。便利ではありますが、コマンドを実行出来ないという事は、例えば再起動などのバッチを組めないことも同時に意味します。これは賛否両論あると思います。

LAN-W300AN/AP背面1

 

続けてWPS、RESETの各ボタン。SIerとしては、特別な理由がない限りこれらは使いません。特にWPSは、管理UI上で無効化しています。余計なリソースを消費しないようにしたいことと、時折誰かに触られても何も起こらないようにしておきたいというトラブル回避の意味もあります。

地味ではありますが、アンテナはとてもしっかりしています。特定の角度ごとにステップで止まるようにもなっています。法人向け製品でも貧弱なアンテナの製品をよく見ますので、この点はとてもポイント高いです。

 

管理UI

よくいえばシンプル、お仕事仕様な印象です。コンシューマー機に比べれば華やかさ(!?)はありませんが、程良くまとまっており、使いやすいです。最近はAjaxなどを駆使して画面遷移の途中でロード中のアイコンが表示されたりする製品も見かけますが、それらも少なからずリソースを消費している訳ですから、シンプルなUIの方が好感持てます。


LAN-W300AN/AP UI1

 

 

左ペインのメニュー部分。(拡大してご覧ください)

LAN-W300AN/AP UI2

しっかりRADIUS認証にも対応しています。

ここまで出来て、価格は\20,000程度と、VLANに対応した法人向け製品の中では群を抜いてコストパフォーマンスが高いと言えます。

敢えて不満な点も挙げてみます。

  • SSH、Telnet等でのログインが出来ない。全てがWebベースの管理UIで完結している。
  • 外部のSyslogサーバーを利用できない。ログを転送出来ない。
  • SNMPに未対応。

以前に実際のサポートであったことですが、このアクセスポイントを設置しているエリア内の特定または全てのクライアントが接続出来なくなってしまった、というトラブル対応の際、リモートなどで管理UIにログインする訳ですが、この時、このUIがハングアップしていてリモートでは何も出来ない、という事態を何度か経験しました。TelnetやSSHでのログインは出来ないので、やむを得ず現地のエンドユーザーさんに電源ケーブルの抜き差しをお願いし事なきを得たのですが、WebUIでしか管理出来ないと、こういった事も起こり得ます。

幸いにして今日現在最新のファームウェア、V1.20-RC2でこの問題の頻度はかなり低くなったように思います。しかしながら不定期に発生することがまだあります。古いファームウェアをご利用の際は、アップデートいただくと安定すると思います。(勝手ながら、アップデートにおけるトラブルは弊社で責任を負いかねます)

また、当製品はいわゆる「独立型」で、コントローラーによる一元管理を想定していないので、台数が多くなると管理にしにくくなるわけですが、残念ながらこれを解決するはずの「アクセスポイント管理ツール」の出来があまりよろしくないようです。弊社でも以前に複数台をこのツールで設定投入してみたのですが、それまで何ら問題なかったSSIDに接続出来なくなってしまったことがあります。今後の改良に期待しています。

 

余談ですが、音響や映像関連のハードウェアに対してはよく、「重量があり、熱を持つ(動作時の発熱が大きい)ものは良い製品が多い」とよく言ったものです。IT機器においてはどうでしょうか。アフター・ケアが充実しているか、願わくば生産終了後もファームウェアなどの更新に熱心な製品やその体制の有無が良い製品であり、私共にとってはお客様に自信を持って提案出来る製品のバロメーターではないかと考えます。

弊社では、スタッフが気になっている機器を実際に社内へ展開し、使用感を十分に検証しながら「良い製品」の提案に努めております。

以上、第一回目のスタッフ・コラムでした。