こんにちは。北原です。
日頃からネットワーク構築やメンテンナンスのお仕事をいただいておりますと、とても年季の入った機器に出会すことがあります。管理者不在の事業所などでは、良くも悪くもメンテナンスせずともトラブルなく何年も安定して動作していることもあるでしょう(脆弱性がないかは別として)
つい先日、弊社以外のSIerが何年も前に構築したとされる環境を拝見する機会がありました。随所には少なくとも5年は稼働していると思われるNETGEAR社製品が使われていました。本当は予防交換としてリプレイスを提案したのですが、「動いているものは壊れるまで使いたい」がエンドユーサー様のご意向でした。お気持ちは分かりますが何も言えません。いざ障害になったとき、サポートするのはうちなのになー、当時よりも安価に品質のよい機器が手に入る時代なのに、などと心苦しい限りです。
その年季の入ったスイッチ製品、「設計書も何もない環境で内部の設定を確認したい。でも可能な限りリセットは避けたい」場面はSIer経験者あるあるかと思いますが、今回もこのケースでした。
同社のスイッチ製品には初期設定を行いやすくするためにいくつかのユーティリティが提供されています。
・インテリジェント、スマート系製品向け
→ Smart Control Center
・アンマネージ・プラス系製品向け
→ ProSafe Plus Utility
この2種類しかないと思っていたのですが、古めの製品向けには、Smartwizard Discovery なるユーティリティがあるそうです。存じませんでした…
入手方法にはコツがあるようです。
1.
NETGEAR社の本家USサイトへ接続
http://downloadcenter.netgear.com/
2.
「FS726TP」と検索
3.
検索結果に表示される「Smartwizard Utility Version 2.5.5」をクリック
4.
右上の「×」か「登録しない」をクリックしダウンロードします。
5.
ダウンロードしたzipを解凍し、インストール。
こんな画面です。今となっては少々レトロな印象のUIですね。
実際のお客様先では、問題のスイッチをSmart Control Centerで見つけることが出来ませんでした。DHCPサーバーのある環境にも関わらず、スイッチにIPアドレスが割り当てられることもなく、マニュアルに記載されている初期値のIPアドレス「192.168.0.239」にも接続出来ず、いよいよ初期化しかないかな、と諦めかけていたところでした。
Smartwizard Discoveryでスイッチの検出はできたものの、結局パスワードが初期値から変更されており分からなかったため、ご了承をいただいて初期化、然るべき設定をWebUIから行って事なきを得たのでした。
ある特定メーカーの昔の事情も知らなくてはならないのがネットワーク技術者の大変なところ。それも経験が全てですね。