こんにちは。北原です。

ビッグデータ、クラウドの時代とは言え、過去数年にわたるデータ資産の全てをクラウドに移行するのは骨の折れる、ある意味エンジニア泣かせな案件です。最近もしくはこれからスタートアップを迎える組織では「オンプレミスのサーバーは一切構築しない」と割り切ることも出来ますが、既に何年も、数度のリプレイスを経て今日に至る、特にファイルサーバーの場合はどうでしょうか。

ユーザー/フォルダ単位に「クォータ」(保存出来るデータサイズの上限)を設定する事が出来ることは広く知られています。Windows Serverは古くから(もう覚えていません)、最近はLinuxをベースとしたNAS製品でも行えるものが増えてきた印象です。しかし、自由度の観点から敢えてその制限を設けずに運用するケースや、元々その存在を知らずに構築・運用されてきたサーバーの空き領域がいつの間にか逼迫している!が、何の、誰のファイルが?と、突如として兼任社内SEさんを悩ませることがあるこの問題。

今回は、私自身何年もお世話になっている便利ユーティリティ、Edge Runner社「SpaceMonger 3」をご紹介します。

指定したボリューム内のファイルやデータを、大きいものは大きく、小さいものは小さく表示させることにより、限られた領域内で何のデータの占有率が高いのかを確認する事が出来ます。いわゆる可視化(見える化)です。

私はまだフリーウェアであった Ver.1.x 当時から愛用しておりますが、最新版ははシェアウェアです。PayPalもしくはクレジットカード決済で、1ライセンス $14.99~。(当記事執筆時点の為替レートで約\1,800前後)ボリュームディスカウントもあるようです。

Windows上で動作するアプリケーションなので、LinuxベースのNASなどにはネットワークドライブとしてマウントしての使用も不可能ではありませんが、Windows上で直接動作させる場合より明らかに遅いことと、多くのトラフィックを発生させる点には注意が必要です。

そして、不要なデータを見つけても、いざ削除するには二の足を踏んでしまうケースも少なくないと思います。

もしWindows Server製品であればボリューム・シャドウ・コピー(VSS) やWindows Server バックアップ、Symantec System Recovery などのサードパティ製ソフトで過去データの世代管理を行っておくことで、誤って削除してしまっても遡ることが可能です。Linux NAS製品でも、週次と日時(もしくは月次)バックアップは最低でも行っておきたいところです。

空き領域の逼迫が起きる前に、比較的サイズの大きいデータが本当に保存しておくべきデータであるのか、チェックしてみてはいかがでしょうか。